「狂気の沙汰ほど面白い」は狂気を孕んだ事象と対面した時に発する言葉。
狂気の沙汰ほど面白いの元ネタ・意味
「狂気の沙汰ほど面白い」は福本伸行の麻雀マンガ『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』の主人公・赤木しげる(アカギ)のセリフが元ネタである。
「狂気の沙汰ほど面白い」は『アカギ』の第2巻「第15話 無頼」に登場する。
主人公のアカギは13歳の中学生だが並外れた博打の才能と運、命を賭した勝負にも臆しない狂気を持つ。
第2巻でアカギは暴力団と麻雀で800万円を賭けた大勝負をすることになるが、勝負の前日に対戦相手の暴力団から呼び出しをくらう。アカギは拳銃を用意しろという条件を突きつけて呼び出しに応じる。
暴力団の要件はこちら側に寝返れ、いわば脅しだったのだがアカギはこれを拒否。アカギは呼び出しの条件の拳銃を受け取り帰ろうとするが、後ろの席に座っていたサングラスをかけた男(名は市川)が翌日の麻雀の対戦相手であることを見抜く。
無表情を決め込んでいる市川を見たアカギは、さっき受け取った拳銃に弾丸を一発だけ込め、数回弾倉を回して市川に向かって引き金を引く。弾丸は出なかったが、アカギが弾丸が出ないように回していたことを市川は看破しており、アカギがその場を去ろうとすると、市川は相手に引き金を向けたなら、自分に向けても引き金を引くべきだとアカギを呼び止める。そしてアカギは「引き金はあんたが引くんだ」と返す。
アカギを呼び出した暴力団員は「バカなギャンブルにつきあうことはない」と市川を引き止めようとするが、市川はこう言い放つ。
市川:
この世の中・・・
バカな真似ほど・・・
狂気の沙汰ほど面白い・・・!
市川は実は盲目で、若い頃に同じような遊びをした時に銃が暴発して視力を失ったと語り、盲目であるため狙いが外れないようにアカギの口の中に銃口を差し込んで狙いを定める。銃口を突きつけた後、市川とアカギは以下のやり取りをする。
市川:
弾が出れば文句なく地獄行きだ・・・
ククク・・・
気分はどうかな赤木君・・・?アカギ:
ククク・・・
面白い・・・
狂気の沙汰ほど面白い・・・!
結果、引き金を引いたが弾は出ず、翌日の麻雀でアカギは市川と勝負をつけることとなる。
「狂気の沙汰ほど面白い・・・!」は市川が先に言ったセリフで、アカギはそのまま引用しているだけである。
市川のセリフは「バカな真似ほど・・・狂気の沙汰ほど面白い・・・!」であるが、
アカギのセリフは「面白い・・・狂気の沙汰ほど面白い・・・!」であった。
「狂気の沙汰」は「狂気を孕んでいる事柄」を意味し、博打という身を削る勝負に挑む2人は、今回のロシアンルーレット然り、常に狂気に満ちた勝負を望んでいると言える。
『のうりん』でパロディ
ライトノベル『のうりん』の第2巻「第6限 萌の錬金術士」(アニメ版は第6話)にて、アカギの「面白い・・・狂気の沙汰ほど面白い・・・!」がパロディとして登場する。
田茂農林の「四天農」(5人いる)の1人であるマネー金上こと金上虎於(かねがみとらお)は、丸太に菌を植えてシイタケやシメジなどを栽培する「キノコの菌打ち栽培」を利用し、「股の間からキノコが生えてくる人形」を考案。これは木材を人形の形に加工し、人形の股にキノコの菌を打ち込みキノコを生えさせるという卑猥な商品。同席した同じく「四天農」の1人・バイオ鈴木こと鈴木燈(あかり)は、キノコの先端にヨーグルトを塗るという完全にアウトなオプションを考案。それを聞いたマネー金上が「面白い・・・狂気の沙汰ほど面白い・・・!」とバイオ鈴木の案に賛同するという流れである。つまりは完全に下ネタの商品ということになる。
「第6限 萌の錬金術士」では、同じく『アカギ』のセリフ「きたぜ、ぬるりと・・・」がパロディとして使われている。
別記事で解説→きたぜ、ぬるりと・・・