「変態という名の紳士」とは、ナニを露出させたり、何かしらをクンカクンカしたり、ワザと卑猥な言葉を口にしたり、そういった行為で興奮する変態性趣味を持った人を指す。
たとえば他人から自らの行為が変態だと揶揄された時、「変態ではない。変態という名の紳士だ」というように反論のために使う。
略して「変態紳士」とも呼ばれる。
「変態という名の紳士」は変態であるが、紳士的な言動・行動も持ち合わせていなければならない。
そう、たとえるならタキシードを着た常識がある見た目の紳士が実は女性用の下着を身につけていて、そのことに興奮を覚えるような…これはただの紳士の格好をした変態なので違う。
変態という名の紳士の元ネタ
「変態という名の紳士」の元ネタは、増田こうすけの『ギャグマンガ日和』に登場するクマ吉のセリフ。
クマ吉は「名探偵うさみちゃんシリーズ」に出てくる熊の男の子で、盗撮、露出、窃盗などなど、数々の変態行為を繰り返している。本シリーズの主人公のうさみちゃんは、小学生ながら大人顔負けの名推理をする警察に突き出すのが趣味の女の子探偵。
ニャン美ちゃんのたてぶえの先端部分を咥えているクマ吉
「変態という名の紳士」というセリフは、7巻の「第129幕 名探偵だぞえ!うさみちゃん」にて発せられた。
「変態という名の紳士」が発せられるまでの話の流れはこうである。
その日、クマ吉たちのクラスは転校生が来るという話で盛り上がっていた。その話の輪の中にいたクマ吉は、うさみちゃんの目が鋭くなったことを察知。「転校生に事件の臭いを感じたのかも」とうさみちゃんの嗅覚におののく。
しかし、その直後の「どんな事件が起こるんだ!」という脳内セリフとともにこちらを振り向いているクマ吉は、下半身を露出させていた。
警察に通報しようと携帯電話を片手に持っていたうさみちゃんに対し、クマ吉はこう弁解する。
クマ吉:
僕は ただ下半身を露出させてると何か興奮することに気づいただけなんだ…
ヘンタイじゃないよ…うさみちゃん:
ヘンタイよ あんたはクマ吉:
仮にヘンタイだとしても
ヘンタイという名の紳士だよ
見事な弁解である。これを聞いたうさみちゃんは、その日一日のクマ吉の態度によって保健所(警察じゃない)に引き渡すのをやめてあげると情けをかける。
この話には続きがある。
転校生のペン介は前の学校で名探偵を呼ばれており、うさみちゃんと推理対決することになった。
がしかし、ペン介は歯茎を剥き出して推理したことから女子人気が落ち、ボッチになっていた。
その様子を見ていたクマ吉は、ペン介を励ますために自分のコンプレックスをさらけ出す。
クマ吉のコンプレックスは、丸くてかわいい顔を保つために両頬に布を詰めているというもの。
その時に詰めていた、唾液でベチャベチャになった物を口から取り出し、ペン介の机の上に置くクマ吉。
ドン引きするペン介とうさみちゃん。
そんなやり取りをしている最中、小学校のアイドル的存在であるニャン美ちゃんがうさみちゃんに相談事を持ちかける。
昨日ドロボウに入られ、ニャン美ちゃんはチューリップの刺繍入りの靴下が盗まれたとのこと。
それを聞いていたクマ吉は、こうまくし立てる。
クマ吉:
何だって!
僕の大好きなニャン美ちゃんのくつ下を!?
許せない!
犯人は絶対ヘンタイだよ!
ヘンタイという名の紳士だよ!
それを聞いていたうさみちゃんとペン介の2人の名探偵は、ある物に視線を注いでいた。
そのある物とは…
先ほどクマ吉の口から吐き出された唾液でベチャベチャになった物体で、よく見てみるとチューリップの刺繍が入った靴下であった。
そう、クマ吉が口に含んでいたのはニャン美ちゃんの靴下だったのだ。
2人の名探偵の前で証拠品をさらけ出したクマ吉は、そのまま警察に連行されていった。
女の子の靴下を口に含むという所業は、変態を超えた「変態という名の紳士」であると言わざるを得ない。
常人の理解を超えている。
7巻ではクマ吉は自らを「変態という名の紳士である」と言っているが、10巻ではこう言っている。
クマ吉:
僕はスケベだけど変態じゃないよ!
スケベと変態を一緒にされるなんて心外さ!
仮に変態だとしても、変態という名のスケベだよ!
クマ吉はどうしても変態だと思われたくないようだ。
どちらにしても制御しきれない下心を持ち合わせたとんでもない熊だ。
※原作ではカタカナで「ヘンタイという名の紳士」と表記されている。
「変態という名のスケベ」の方は漢字。