駄サイクル-意味・元ネタ
駄サイクルの元ネタは、石黒正数のマンガ『ネムルバカ』。
『ネムルバカ』は大学の女子寮で同室で暮らす先輩の鯨井ルカと後輩の入巣柚実の物語で、駄サイクルはルカが考えた造語として作中に登場する。
駄サイクルは、「ぐるぐる廻り続けるだけで一歩も前進しない駄目なサイクル」のことを意味する。サークルや仲間うちなど特定の輪の中で需要と供給が成立している状態で、自称アーティストを名乗る者同士が集まって「見る」→「ホメる」→「作る」→「ホメられる」→「見る」→(以下繰り返し)を繰り返す。
自称アーティストは本当に苦しいことは避け、馴れ合いの中で自分がアーティストであると錯覚していく駄目なサイクルのことを、ルカは駄サイクルと呼んでいる。駄サイクルの中にいる者は、自身が駄サイクルの中にいるとは気づかない。ルカ自身もプロになれないインディーズバンドのヴォーカルとして駄サイクルの中にいるが、そのことは自覚しているようだ。
作中でルカが駄サイクルと発したきっかけは、後輩の入巣がバイト先の痛い先輩に食事に誘われ、アーティストが個展を開いているギャラリーに連れて行かれたことにある。そこは自称アーティストが集まるお店で、店長もかなりの駄サイクルに囚われている。
駄サイクルは自己顕示欲を満たすための完成された空間ではあるが、内輪だけで褒め合うぬるま湯にずっと浸かっていると、何も進歩しないで時が過ぎるだけである、ということを駄サイクルという言葉で表現している。
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