デューク・東郷はマンガ『ゴルゴ13』の主人公。通称・ゴルゴ13(サーティーン)。
この男の本名は不明でさまざまな偽名を使っていて、デューク・東郷を最も多く使う。東洋系の外見をしているが国籍は不明で、生年月日も不明。
『ゴルゴ13』は1968年の連載開始から約50年、一度も休載していない(2018年現在)。
デューク・東郷(ゴルゴ13)の由来・モデル
デューク・東郷という名前は、作者の”さいとうたかを”の中学時代の担任教師・東郷先生が由来である。
中学時代、試験に対して「こんなクイズみたいな問題で人の何が分かるのか」と疑問を抱き、答案用紙はいつも白紙で提出していたそうだ。すると、学年が変わって新しく担任になった先生から、こう言われた。
東郷先生:
白紙で出すのは君の考えやから、それをとやかく言わん。
けど、君はこの白紙の答案を自分の責任でやっているんやな。
それやったら、名前だけは書きなさい。
この言葉は、隆夫少年の心に残った。
そして、後の『ゴルゴ13』となる、自分の請け負った仕事を完璧にこなすスナイパーを題材としたマンガを書くことになった時、主人公の名前を何にしようか迷っていると、ふと「名前を書け」といった中学時代の担任教師が頭に思い浮かんだそうだ。
作者のさいとう・たかをは、「責任とは何か」を教えてくれた東郷先生の名前を元に、デューク・東郷という主人公を考案したとのこと。
しかし、デューク東郷のルーツにまつわるエピソードはこれまで7つ登場しており、いずれも生い立ちが異なる。なぜ複数の生い立ちがあるのかというと、作者いわく、「ウケるから」とのこと。なので、生い立ちについてはそれぞれ想像して楽しむいうことで。
参考:『ビーバップハイヒール』 2017年10月放送 『ゴルゴ13』の作者が語る!衝撃の真相!
デューク・東郷(ゴルゴ13)の風貌のモデルは、作者のさいとう・たかおいわく、俳優の高倉健とのこと。1973年公開の映画『ゴルゴ13』では、高倉健がデューク・東郷役を演じている。

作者のさいとう・たか(斎藤 隆夫)が言うには、本作を書き出した当初は10話で終えるつもりで、最終回も考えてあるとのこと。最終回は右腕左腕だった2人のアシスタントのみ話したが、2人とも亡くなっており、しかも原稿には書いていないため、最終回の案は作者の頭の中にしかない。
「原稿に残すと書けなくなるから」という理由で、案を紙に書き出すことはしていないそうだ。
ゴルゴ13の由来
作中の解説によると、ゴルゴ13という通称はデューク・東郷がある事件で西ドイツの刑務所に収監された時、他の囚人から名付けられた。
デューク・東郷は刑務所では全く口をきかず、自分の意志を押し通すプロとしてふるまう。そうした態度から、囚人たちに、部屋番号の1214号から「13(サーティーン)」という通称(13=12と14の間)をつけられた。
作中では、「ゴルゴ」という名前は、ゴルゴダの丘でイエス・キリストを裏切って十字架にかけた「13番目の男」にちなんでいるのではないか、と解説されている。
※西洋では、「13」は悪魔の数字と呼ばれる忌み数。
単行本第103巻収録の「15-34」では、自身をイエス・キリストの生まれ変わりであると自認する自己成長型プログラム「ジーザス」が、デューク・東郷を自分を裏切った「13番目の男」と認識し、核ミサイル攻撃で抹殺を企てるエピソードが描かれている。
※タイトルの「15-34」は、「新約聖書マルコの福音書第15章34節」から。